瀬戸内の風に吹かれて。今治城で『じぶんじかん』を贅沢に味わう休日

瀬戸内の海風を感じながら、歴史のロマンに浸る。そんな自分時間を贅沢に味わえるのが、愛媛県今治市にある今治城です。
先日、ゆっくりとこの城郭を訪れてきました。

海に浮かぶ、美しき「水城」へ
今治城の最大の特徴は、なんといっても全国的にも珍しい「海岸平城(うみじろ)」であること。
お城に到着してまず驚くのが、その広大な堀です。なんと、この堀には海水が引き込まれているんです。

見どころポイント: 運が良ければ、お堀の中で海の魚(チヌやボラなど)が泳いでいる姿を見ることができます。お城なのに磯の香りが漂う、今治ならではの不思議な感覚です。
藤堂高虎の知恵が光る石垣
今治城は、築城の名手として名高い藤堂高虎によって築かれました。一歩足を踏み入れると、質実剛健ながらも洗練された石垣の美しさに目を奪われます。

藤堂高虎の面白いエピソード
今治城を築いた藤堂高虎(とうどう たかとら)は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将ですが、その生き様は現代のビジネスマンにも通じるような、非常に合理的でユニークなものでした。
今治城をより深く楽しむための、彼の面白いエピソードを3つに凝縮してお伝えします。
1. 「築城の名手」は合理主義の塊
高虎は、加藤清正と並ぶ「築城の名手」として知られています。彼の作る城の特徴は、ズバリ「実用性とコストパフォーマンス」です。
- 五層の層塔型天守: 今治城で初めて採用されたといわれる「層塔型(そうとうがた)」という造りは、下の階から上に向かって規則正しく小さくしていく工法です。それまでの複雑な構造に比べて工期が短く、耐震性も高いという、非常に合理的なデザインでした。
- 水堀の活用: 海水を引いたのは、敵の侵入を防ぐだけでなく、船を直接城の中まで入れられるようにするため。今治城は、当時としては最新の「物流センター兼軍事基地」だったのです。
2. 「7回主君を変えた」転職の達人
高虎は、生涯で7回も主君を変えたことで有名です。「裏切り者」とネガティブに捉えられることもありますが、実際は「自分の才能を最も高く評価してくれる場所を探し続けた」という、極めて現代的なキャリア形成をしていました。
- 徳川家康からの絶大な信頼: 最終的に仕えた家康からは、「高虎に任せれば間違いない」と深く信頼されました。家康が亡くなる際、枕元に呼ばれたのは高虎だったという逸話があるほどです。
- 「武士たるもの、7回主君を変えねば一人前とは言えぬ」という言葉を残したとも伝えられています。
3. 身長190cmの「歩く要塞」
高虎は、当時の平均身長が150cm台だった時代に、約190cm(六尺二寸)もの大男だったと言われています。
今治城の銅像: お城の敷地内には、馬にまたがった彼の銅像がありますが、その姿は堂々としていて、まさに「巨漢の知将」といったオーラを放っています。ぜひ次に行く際は、そのスケール感を想像しながら眺めてみてください。
満身創痍の体: 彼は常に最前線で戦ったため、体中が傷だらけでした。指が欠けていたり、耳に傷があったりと、その巨体には歴戦の証が刻まれていました。

自分時間の楽しみ方: あえて天守に急がず、多門櫓(たもんやぐら)の影や石垣の曲線を眺めながら歩くのがおすすめ。当時の職人たちの技術を独り占めしているような、静かな贅沢を感じられます。
絶景の天守閣展望台
再建された五層六階の天守閣内は、刀剣や鎧などの貴重な展示が並ぶ歴史資料館になっています。じっくりと展示を眺めた後、最上階へ上がると……。そこには、しまなみの大パノラマが!眼下には今治の街並み、そして視界の先には「しまなみ海道」の来島海峡大橋と瀬戸内海の多島美が広がります。吹き抜ける風が心地よく、日々の喧騒を忘れていつまでも眺めていられる絶景でした。

旅の締めくくりは
「お城散歩」お城を後にした後は、周辺をぶらりと散歩。もし時間に余裕があれば、近くのカフェで今治名物の「焼豚玉子飯」を食べて帰るのもいいですね。
訪れる方へのワンポイント
駐車場: お城のすぐ横に広い有料駐車場があります。
土日祝の9〜18時は城の西側道路の路側帯に無料で駐車できます。

今回の今治城巡りは、歴史の深さと瀬戸内の自然に癒やされる、最高の自分時間になりました。ひとりでふらっと、あるいは大切な人とゆったり。あなたも今治城で、静かな時間を過ごしてみませんか?






